画家の詩、詩人の絵 展


画家の詩、詩人の絵」展 平塚市美術館にて。
この展覧会に出かけたのは、
NHK日曜美術館 「まど・みちおの秘密の絵」を観たことがきっかけだった。


まどみちおの純真な詩とは似つかわしくない、
暗いどろりとした印象の絵画。
周りのあれこれをそぎ落として、
ピュアな部分だけを詩にして発表し続けたら、
きっと自分のバランスを保てない。
言葉は本質とイコールではない、
というニュアンスのことを谷川さんが述べていた。
美醜のレッテルを貼るのは人ゆえに、
置いてけぼりの在るものが、絵という表現で外に出たがったのだろう。


絵と詩。
作者ごとに見ていると、その関係性がとても多様だった。
詩から膨らむイメージ。
絵を補う言葉。
隠された本心。
同じものを見ていても、受け取り方もまた人の数だけ。
表現とは作者自身の学びであり、
時空を超えたやりとりを通じて、
人類が最善を見出していく糧なのだと思う。



一部は、西洋の文化を取り込み融合させる気迫や、
戦争の影響もあって早世した作者が多く、骨太で重苦しい。
二部にあった、まどみちおの絵画は、
思っていたよりも吹っ切れたような清々しい青。
絵を見ることと、詩を聞くことは、
頭の中の使う部分が違うのか、くたくたになった。
萩原朔太郎草野心平中原中也
もっとじっくり見たかったけど、エネルギーが切れてしまって。残念。



竹久夢二の詩『宵待草』。
男の人といふものは、ロマンチストなのでせう。


待てど暮らせど来ぬ人を 宵待草のやるせなさ 今宵は月も出ぬさうな