お守り


半年以上前に、
Dear Moonさんで出会った屋久杉のストラップ。
この小さな木片には百年が詰まっているのよ、と教わった。
店主のマリさんが勧めてくれた
このころんとしたお月さまみたいなのと、
もうひとつと、どちらにするか迷って。
左手でぎゅうっと握ったら、
小さい子どもみたいにぐんっと押し返してきた。
私にして!と強く主張していた、
この子を連れて帰ってきたのだった。


一緒に出かけたり、家のトレーの上に置いたり。
ものづくりをするとき、側に置いて、
私と場を整えてもらったり、
いいものがやってくるように助けてもらったりもする。
大切なお守り。
でも、時々かばんの中に入れて、
うっかりそのまま忘れてしまうことがある。


ふと思い立って、革ひもを買って、ネックレスにした。
いつでも屋久杉の香りと温もりを、近くに感じられるように。
意識していない古い記憶のしこりと痛みが、
溶けていくよう。
ふるふると、胸元で私と共振している。