星降るよるに

東慶寺
イワタバコのものがたり



こどもたちが寝静まるころ
空の向こうの向こうの
もっととおく
宇宙では
星たちが
飛んだりはねたり
楽しそうにダンスをしています


どの星も気ままなので
ときにはごっつんこ
ぶつかって
星のかけらがうまれます


さーっとかけていく星のうしろでは
いっしょうけんめい
光のつぶてがおいかけます


小さい星のかけらと
置いてきぼりの光のつぶては
真っ暗ななかに残されました
いま とても自由なのです
さて これからどこに行こう
とワクワクしてきました


「あの星には緑のふさふさしたものがあるよ」
星のかけらがいいました
それはきっと山のことです
「青いちゃぷちゃぷしたものもあるよ」
光のつぶてがいいました
それはきっと海のことです


「楽しそうだよ あそこにいこう」
「わあい」
「わあい」
みんなで地球をめざして
きらきら光りながら降りていきました


地表でひえた星のかけらたちは
きれいなむらさきいろの花になりました
それがイワタバコ
宇宙から降りてきたしるしに
星の形をしているのです