根津美術館 井戸茶碗展


表参道にある根津美術館へ。背筋がシャン!と伸びるような、竹を使ったファサード。外国人観光客にも人気の美術館。



お庭がちょうど紅葉を迎えていて、きれいだった。まだ早い時間で人も少なく、のんびりと巡る。







展覧会は、『井戸茶碗 戦国武将が憧れたうつわ』
薄茶色の茶碗が約70点。みっつ見たところで全部一緒に見えるし、飽きたので、常設の仏像を見たりソファーに座ってぼーっと過ごす。かまーはひとつひとつ丁寧に見て回っていた。
私が作品に惹かれるときは、時も国境も超えて、思いを込めた人や時代との対話が生まれている。そういう感覚が何にもなかった。
かまーは、「戦いの中に身を置いている武将が、静けさに包まれた小さな茶室の中、素朴な茶碗と向き合っている。その中に緑のお抹茶が入っているのを想像してごらん。俺はそこに宇宙を感じるよ。」と言う。ふうーん、そんな風な見方があるんだ。なんとなくはわかるよ、でも宇宙までは感じない。
「マイコが何も感じないというのもある意味正しいんだよ。あれは大量生産されたものの中に、たまたま変わったのができて、それが侘び寂び茶碗になったんだよ。後世の作家はここを目指すんだろうけど、『侘び寂び』や『自然』を意図したら、それは『無造作ヘア』や『ナチュラルメイク』と同じことになっちゃうんだよ。」 その例えはわかる、そして深い。。全部一緒に見えた茶碗は超自然、ということなんだね。




侘び寂びがよくわからなくて残念だけど、かまーはマイコはマイコの感覚でいいんだよ、といってくれる。私もそれでいいと思う。