きっと、うまくいく

BSテレビの新春インド映画、『きっと、うまくいく』。
笑いと涙なしには観られない、エネルギッシュな映画だった。
シリアスもおバカもダンスもなんでもあり、
よくこんなにぎゅぎゅっと詰めこんだなあ。
出産のシーン、よかった。


全編通してのテーマが、学ぶとは何かということ。
後半に、懐かしい未来といわれるラダックがでてきて驚いた。
二年ほど前、マウイ島に行きたくて仕方なかったとき、
教育の視察に行く方に、じゃあ代わりにラダックはどう?と、
冗談半分に誘われた、その場所だった。


シン・ウータン通信を読み返したら、
主人公ランチョーのモデルになった、
ラダック出身でエンジニアのソナムワンチュクさんのことや、
来年はラダックにさをりを運ぶつもりであることが書いてあった。
さらっと読んだから覚えていなかったけど、
なんとなく気になっていたのだと思う。


こどもも大人もなく、
ひとつに限定しない学び舎があるといいな。
目的があってもいい、
てぶらで訪れてわくわくすることをやる、でもいい。
緑のなか、
海を見ながら、
風に吹かれながら。
今、分離したものをゆるりとまとめる、
そんなスペースが、街にひとつあったら。
教える、育てる、ではなく、学び合う関係で。


お正月に観た後も、
毎朝三十分くらい観て、心にエンジンをかけて一日を始める。
いつか訪れる場所が増えたんだ。
Aal Izz Well!』


ランチョーが伝えたかったことと、ウータンの思いは同じ。
ウータント・メッセージ
きっと、うまくいく [DVD]

灯し、綴じる


キャンドルとギターの夕べ
北鎌倉 喫茶ミンカにて


ギターの音色が導いて
細胞のひとつひとつが呼吸する
ろうそくの火が揺れるのを
うしろの景色が揺らぐのを
ずっと見ていられる


その冬至の夜
お風呂にゆずを浮かべて
いろんなことをながす
ながす


AOKI,hayato
Yu kawai

祖母の食器棚から


祖父のお見舞いに福岡へ。
病院に着くと、少し待ち時間があったので空を見ていた。
この下で祖父母はずっと生きてきたんだなあ。


源へ還る準備はやっぱり大変なことで、
祖父の体と感情、周囲の精神も大わらわだった。
私は私のできることをするだけで、
三日間病室でゆっくり話した。
ぽつんぽつんと、昔のこと。
今の私の日々のこと。


そのあいまに、家で宝物さがしをする。
台所の食器棚には器がずらり。
昔は結婚式も葬式も新築祝いも家でしたものだから、
定食屋さんができそうなくらいたくさんある。
一皿につき十枚とか。
りんごの形のお皿には果物やゼリー。
淡いブルーの器にはそうめんのおつゆ。
昭和だけど、昭和レトロではない。
ずっと使っているものだから。
そこがいいなあと思う。


祖父は生まれてからこれまでずっと、こどもみたいな人だった。
人生の後半しか知らないけれど、たぶんそうなんだ。

円覚寺 紅葉

鎌倉の紅葉は、もう十二月だというのにのんびりで。



ずっとここにいるのに、
今、芽吹くって
今、紅くなるって、
今、散るって、
なぜわかるんだろう。





ホイールにすりすり。



円覚寺の前のちいさな踏切が下りて、電車がやってくる。